Cogito Ergo Sum.

我思う故に我あり

アナログ処理とデジタル処理の融合

 深夜のNHK教育テレビを見ていて、面白い研究を知った。2枚の顔写真が同一人物かどうかを判定する方法の開発なのだが、従来の方法より1000倍も速いという。

 まず、2枚の画像について、サイズとか角度とかあらかじめしかるべき処理を行う。次に、それぞれの画像について、目・鼻・口といった主要なパーツの輪郭線を抽出し、この画像を白黒2値の画像に変換する。このとき、1枚は、図を白、地を黒に、もう1枚は、図を黒、地を白に変換するのがポイント。

 で、2枚の画像を重ね合わせる。もし2枚の顔の特徴が同じなら、重ねたら真っ黒な画像ができあがる。違う特徴をもった顔同士だと白い部分が残る。

 で、だ。この重ね合わせた画像について、1ドット1ドット白か黒かを数えていくのが従来の方法。デジタル的な方法だ。

 番組で紹介されていた新しい方法では、重ね合わせた画像に光を当てる。で、通った光の量を調べる。明るかったら×。暗かったら○。非常にアナログ的である。

 例えば、指名手配犯の顔写真についてあらかじめ上記のような白黒画像を容易してストックしておくわけだ。で、監視カメラに誰かの顔が映るたびに重ね合わせたら真っ黒になる画像がないかどうかを調べる。従来の方法だと1枚の画像しか処理できなかった間にこの方法だと1000枚の画像について処理できるというのだ。3桁違うと量の差も質の差になる。

 もの凄〜く解像度を高くしてやればアナログ情報を近似できるし、コンピュータは単純作業を高速に行うのは得意だから、コンピュータによって画像や音声といったアナログ情報の処理を行うことができるわけだけど、当然アナログ情報をアナログ情報のまま扱ってやった方が良い場合もあるわけだ。