Cogito Ergo Sum.

我思う故に我あり

位取り記数法

 「12345」。これを漢数字で「一ニ三四五」と書くと何か変である。

 「いち、に、さん、し、ご」なのか「いちまんにせんさんびゃくよんじゅうご」なのか区別がつかないからだ。後者であることを明示的に示したい場合は、「一万ニ千三百四十五」と位を書き入れる必要がある。逆に言うと「12345」は位を書き入れる必要がないということだ。つまり、アラビア数字で数を表す場合、「特定のケタが表す位はあらかじめ決められている」ということだ。

 「12345」を位を意識して表記すると、
12345 = 1×104+2×103+3×102+4×101+5×100
 となる。漢数字で数を表す場合言わばこのような書き方をしているわけだ。ところが通常アラビア数字で数を表す場合、こういう書き方をしないで、単に「12345」と書けばよいことになっている。

 『プログラマの数学』(結城浩 ソフトバンクパブリッシング 2005年)によると、何故こういうことが可能かといえば記号として「0がある」からだという。例えば「201」を表すとき0がないと21になってしまう。そうすると最初の2は100の位、次の1は1の位を表すことを明示する必要がある。それが「ニ百一」である(「ニ〇一」という書き方もあるが、歴史的には比較的新しい書き方なのではないかなぁ←根拠なし)。つまり、0は上のケタの数字が「落っこちてこないように支えている」というのだ。

 「12345」のような、位置によって位があらかじめ決められている数の表記法を「位取り記数法」と呼ぶのだそうだ。