年末から3月末まで金髪だった。
本当は真っ白にしたかったのだが、2回連続脱色してもヒヨコみたいな色にしかならなかった。(3回やってももうあまり変化はないだろうと専門家が言うので、そこで断念。)
髪の毛は短かったので、鏡を見ない限り自分の髪の毛の色がどんなふうかなんてわからない。普段通りだ。髪の毛の色がちょっとかわったからといって、セルフイメージがかわるわけじゃない。しかし、他者の反応はかわる。
例えば、夜更けの午前4時にラーメン屋に行く。テーブルの間を歩いていた客の厚手のコートの裾が、椅子からはみ出していた僕の膝にわずかに触れた。指摘されなければ気づかないレベルだった。その客が「スミません」と僕に詫びた時には何を言っているのかわからなかったほどだ。他から見たら怖い人に見えたのだろう。
こういう経験が積み重なれば、やがて僕が自分自身についてもっているセルフイメージがかわっていくだろう。金髪にしたからといって強くなったような気になるわけじゃない。他者が現にビビッているから強くなったような気になるのである。
セルフイメージを決定するのは、自分ではなく他者なのだ。