Cogito Ergo Sum.

我思う故に我あり

ブログの分割不可能性

 僕は、とにかく思いついたことは何でも人にしゃべりたいというタイプだ。王様の耳はロバの耳、と同じである。言わないでいると本当に具合悪くなる。

 ただし、それはそのとき頭の中を占めていたアイデアに過ぎないから、僕の頭の中にあるものの全体から見れば、断片化された一片のアイデアに過ぎない。

 ブログやインターネット日記の面白いところは、そういう一片のアイデアに過ぎないものでもコツコツ蓄積していけば、コンピュータの検索機能(検索エンジン)がそれを見つけ出してくれたり、いくつかのアイデア同士を結びつけることが技術的に可能だというところだ(リンクを張ったり、よく似たアイデアの持ち主同士を出会わせたり)。

 僕は立派なWEBページというものをつくることができずにいる。僕はプログラミングが好きなので、アマチュアの素人プログラマにしか書けないような種類のプログラミング入門や、自分のプログラミングに関する考えや、TCP/IP通信のやり方だとか、そういうものを自分なりにまとめ、整理・体系化し、全体の構成を考慮した立派なWEBページをつくりたいとずっと思っている。世の中には素人がつくったそういう立派なWEBページがたくさんある。そういうのをずっとつくりたいと思っている。

 ところが、僕にはこれができない。自分の頭の中にあるものは(たぶん大した量ではないと思うのだが)自分の手に負えないのだ。それを体系化したりすることができないのだ。だから、一片一片のアイデアを切り出してくるブログや日記形式の方が僕には向いている。

 現在いくつかのブログスペースをもっている。最初はプログラミング日記のつもりで始めたのだが、面白いアイデアを思いついたらそれを書き、テレビばっかり見ていてはそのことを書き、料理を始めてそれを書き、映画を見てはそれを書き、日常の体験談も書くようになったし、結局、僕の頭の中全体を整理しないまま書いている。これではテーマが曖昧だなと思ったので、プログラミング・インターネット系を最初のブログスペースに残し、比較的ちゃんとしたアイデアについては他のブログスペースで(要するにここ)、本当の日記みたいなものは更に他のブログスペースで、と、複数のブログスペースを使い分けることも考えたのだが、それもどうもうまくいかない。何故か?

 ブログをテーマごとに分割するということは、僕の頭の中をテーマごとに分割するということだ。しかし、そもそもそれができないから立派なホームページをつくることができないのだ。僕自身を分割できないのと同様、ブログを分割することもできないのだ。