Cogito Ergo Sum.

我思う故に我あり

何故アマゾンのレビューを書くのか。

 しばしば、何故アマゾンのレビューなんて書くのか?と質問される。今のところ、答えは5つある。5つもあるのだ。

 第1の理由:経済的理由
 最初のレビューを書いた理由は完全に経済的なものだった。かつてアマゾンでは、まだ1つもレビューが投稿されていない商品へレビューを書いたレビューワーの中から何人かを抽選で選び、アマゾンクーポンを与えるというキャンペーンを行っていた。これを「まだ1つもレビューが投稿されていない商品へレビューを書けば必ずアマゾンクーポンが貰える」と勘違いして、レビューを書く気になったのだ。要するにお金(のように使えるもの)が欲しかったのである。白状してしまうと、僕が初めて投稿したレビューなんて、読んでもいない本のレビューなのだ(さすがにそんなレビューはこれが最初で最後。ちなみにこのレビューには今のところ33人中30人が「参考になった」票を投じている。世の中ムチャクチャである)。このキャンペーンはしばらく続いていたが、結局1度も抽選で選ばれたことはない。

 第2の理由:競争的動機
 アマゾンのレビューにはレビューワーランキングという仕組みがある。順位決定ルールの詳細はよくわからないが、「参考になった」票が多く「参考にならなかった」票の少ないレビューワーの順位が上になる。僕は他者と競い合ったりするのが大嫌いな人間なのだが、まずいことに順位情報が明示されてしまうともうただ単に順位を1つでも上げたくなってしまう強い傾向をもっている。かつては自分で自分のレビューに「参考になった」票を投ずるのは比較的簡単で、これまた白状してしまうと、僕も現在までの総レビューの半分くらいには自分で1票入れたと思う。また「参考にならなかった」票が「参考になった」票を上回っていたレビューを削除したりもした。これだけでは順位を上げるのにも限度があるので、新しいレビューを追加し続けてきたわけだ。またまた白状してしまうと、レビューを投稿した商品のうち実際にアマゾンで購入したものは半分以下ではないかと思う。

 第3の理由:王様の耳はロバの耳
 僕はもともと何か思いついてしまうとそれを他者に言いたくなってしまうタイプの人間だ。星5つレベルのムチャクチャ面白い本を読めば、皆に「こんなに面白い本がありますよー!」と教えたくなるし、「金返せ!」と怒鳴りたくなるような星1つレベルの本を読んだ後には(こういうときは実際のところ怒ってしまっている)「この本、買ってはいけません」と言って歩き回りたくなる(実際「買ってはいけない」とレビューに書いたら、さすがにその部分は削除された)。また、星5つと星1つに説得力を持たせるためには、中間(星4つ〜星2つ)も真剣に評価しないとならない。

 第4の理由:文章表現の練習
 感想文に限らず、自分の感じていることを文章にして表現するのは難しい。僕は書き言葉の力を素朴に信じているタイプの人間なので、自分の感じていることを少しでも文章にして表現できるようになりたいと思っている。そのための練習という位置づけ。自分の感じていることに対して適切な表現を見つけるという体験は快感である。

 第5の理由:読み方をかえるため
 レビューを書くようになってから、本の読み方がかわってきた。はじめから、レビューにどう書くか考えながら読むようになってきたのだ。これは、本を読み進んでいる自分が何を感じているかを考えながら読む、ということであり、その本が自分に何をもたらしたか、その本が自分にとってどういう価値をもっているかを、以前よりも考えやすくなってきた。この読み方の変化のおかげで、これまで見えてこなかったようなところが見えてきたように思う(逆に、これまで見えていたところが見えなくなっている可能性もあるとは思うが)。見えなかったところが見える、というのが新鮮なので、今はこの読み方を楽しんでいる。

 というわけで、最近も本を読んではセッセとレビューを書いている。レビューワーランキングに関しては・・・、最近はほとんどズルはしていない(単にズルするのが難しくなってきたからかもしれないが)。現実的には300位以内、夢想的には100位以内に入りたいね〜。