Cogito Ergo Sum.

我思う故に我あり

アピールポイント

 就職・転職マニュアルみたいな本を読んで、「自己アピールって何をアピールすればいいんだろう?」と頭を抱えている。端的に言って、アピールできる長所を何も思いつかないのだ。短所ならいくらでも思いつくのだが。

 そこで思い切って、ちょうどメールのやりとりをしていた知り合いに「僕の良いところ、セールスポイントって何だと思いますか?」と訊いてみた。返ってきた返事を見てみると、これがなかなか面白かった(まだ2人にしか訊いてないが…)。

 まぁ、「誉めて貰って良い気分」というのは当然あるんだけど(今回「悪い点」については一切問うていない(笑)というのがポイント)、本当に面白いのは、考えもしなかった点が長所として挙げられていたり、むしろ自分としては短所だと思っているような性質から生じている行動が長所と見なされていたりする例があることだ。

 前者の例としては、「他人の悪口を言わない」「他人を馬鹿にしない」というのがある。言われてみれば、確かに僕はあまり他人の悪口は言わない方かもしれない。ただ、これ、自分としてはむしろ「他人に対する無関心さ」のあらわれなので、誉められるようなものだとは思っていなかった。

 後者の例としては、「困っている人がいると放っておけず、自分の仕事を放り出してまで助けてくれる」というようなものがあった。これなんか、まさに自分としては「短所」だと思っていたのだ。何故なら、僕が困っている誰かの手助けをしているときというのは、まさに「現実逃避」しているときなのだ! (いつも言っているけれど、他人のプログラムのデバッグほど楽しいものはない!) 自分としては、「自分はやるべきことを先延ばしにし、結局はやらないで済まそうとする人間だ」「自分には、モノゴトに優先順位をつけ重要なものから処理していくような、効率的な仕事の進め方ができない」という、まさに大「短所」から生じている行動傾向なのだ。

 ところが、こういった行動を引き起こす理由はどうあれ、実際に発現している行動そのものはわりと他者から好意的に評価されている場合があるようだ。これが面白い。是非もっとたくさんの意見を聞いてみたいものだと思う。

 本当のことを言えば、「悪い点」についても同じような面白さがあるんだと思う。思ってもいなかった点が短所として挙げられたり、自分ではむしろ長所だと思っているような性質から出てくる行動が否定的に評価されていたり。でも、「悪い点」は敢えて訊かない! それがポイント(笑)。