Cogito Ergo Sum.

我思う故に我あり

自己没入尺度

 自分の中に没入していることがよくある。円山や藻岩山なんかを登っているときもそうだし、1人で黙々と走っているときなんかもそう。と言うか、僕の場合たいていいつもそうなのだけど。

 『自分のこころからよむ臨床心理学入門』(丹野義彦・坂本真士 東京大学出版会 2001年)に、「自己没入尺度」(Sakamoto, 1998)というのが載っている(この本の特色は、臨床心理学の対象に対する社会心理学からのアプローチ。精神分析的アプローチを採らないのが面白い)。「自分について考えやすく、自分について考えたらなかなかそれが止まらないという特性を測る尺度です。この尺度で高い得点をとった人は抑うつになりやすく、抑うつが続いてしまうことがわかっています。」とある。


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 以下の11の項目を読んで、それが自分の性質に当てはまる程度を考えて下さい。そして、最もよく当てはまるものを1つだけ選んで、選んだ番号を○で囲んで下さい。あまり考え込まずに、思うとおりに回答して下さい。

1:全く当てはまらない
2:どちらかというと当てはまらない
3:どちらともいえない
4:どちらかというと当てはまる
5:かなり当てはまる

・自分のことを考えるのに没頭していることが多い。
・他の人との比較で、自分自身についていつまでも考え続けることがよくある。
・つらかった思い出をいつまでもかみしめていることがある。
・自分のことについて考え始めたら、なかなかそれを止めることができない。
・長い間、自分についてのことで思いをめぐらせていることがよくある。
・自分のことを考え出すと、それ以外のことに集中できなくなる。
・ときどき変化を求めてふだんとは違ったことをする。
・自分の能力について、長い間考えることが多い。
・自分はどんな人間なのか、長い間考えることがよくある。
・何らかの感情が沸いてきたとき(例:落ち込んだ時、うれしかった時)、なんでそんな気持ちになるのか、長いこと考えてしまう。
・自分がこういう人間であればなあと、いつまでも長い間空想することがある。


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 得点の算出の仕方は簡単で、11項目全てについて自分の選んだ数字を足し合わせるだけ。逆転項目が1つもないってのはどうなんだ?と思わないでもないが(どんな質問にもYes寄りに答えてしまう、というタイプの人は、必然的に得点が高くなってしまう)。

 筆者が大学生を対象に行った調査では、平均34.1点、標準偏差8.3点で、43点(平均 + 1標準偏差)以上の人は、自己没入的な傾向にあるとしている。僕は48点。平均 + 1.7標準偏差の位置にいるわけで、自己没入偏差値67?


→ Sakamoto, S. 1998. The Preoccupation Scale: Its development and relationship with depression scales. Journal of Clinical Psychology, 54, 645-654.