Cogito Ergo Sum.

我思う故に我あり

『マラソンは「腹走り」でサブ4&サブ3達成』(砂田貴裕)★★☆☆☆

 『マラソンは「腹走り」でサブ4&サブ3達成』
 砂田 貴裕(著)
 2014年
 SBクリエイティブ
 ★★☆☆☆

 「SB新書」の「274」。フルマラソン4時間切り(サブ4)、3時間半切り(サブ3.5)、3時間切り(サブ3)を目指している市民ランナーを対象としたマラソン・ランニング入門。サブタイトルは「長い距離をラクに走るウルトラ世界記録保持者の教え」。表紙には他に「実力3割、メンタル7割」「1km3分44秒ペースで100km走破する男の教え」の文言も。著者は、本書刊行時に男子100kmマラソンの世界記録保持者であった砂田貴裕氏。

 全7章構成。「腹走り」「ランニングフォーム」「トレーニング」「メンタル強化」「3か月練習プログラム」「レースプラン」「ウルトラマラソン」といった内容。ハッキリ言って、アリキタリな内容。

 著者の言う「腹走り」と言うのは…、「細かいことを脇に置くと、『腹走り』と体幹や骨盤を使った走法にはさほど大きな違いはありません。」(22ページ)とのこと。「体幹」とか「骨盤」と言われるよりも「腹」と言われた方がわかりやすいだろ!ということのようだ(笑)。まぁねぇ…。

 個人的にはむしろ、「腹走り」ではなく「山走り」を薦めているところに著者の独自性があるのではないかと感じた。

 著者が砂田氏である、という唯一点に依存した本だなぁ、という印象。つまり、「男子100kmマラソンの現・世界記録保持者が書いた本です!」という点にしかアピールポイントがない、と言うか…。

 160ページ程度と薄めの新書で、文章も口語体で読み易い。ランニングフォームから、練習法、練習メニュー、メンタル強化に、レース本番、と一通り触れていく内容であるにも関わらず、それこそ数時間で読めてしまう本なのだが…、逆に言うと、本書から新たに学んだ事柄もあまり多くはなかった(と言うか、ほとんどなかった)ように思う。

 むしろ、「おわりに」にあった「自分のカラダで感じ、自分の頭で考える」「日ごろからレース本番を意識して、事前に経験しておけ」といった「心構え」的な言葉が最も印象に残った。著者も「それでいい」と言いそうな気がする。

 本文160ページ程度。