Cogito Ergo Sum.

我思う故に我あり

ナンバーカードが2枚しかない!

 先日、サロマの参加キット一式(ナンバーカード、参加賞Tシャツ、参加案内、公式プログラム、等々)が自宅に届いた。去年は全く目を通さずに参加したので、今年は全ての内容物に目を通すようにした。

 主な変更点として僕が気付いたのは以下の2点。

1. スペシャルドリンクが3か所から2か所へ。
2. 配布されるナンバーカードは2枚、計測チップは(そのうちの1枚の)ナンバーカードに接着されている。

 「スペシャルドリンク」は「100km陸連登録者の部」の参加者しか利用できないので、陸上連盟に登録していない自分にはまぁ関係のない話。これまでは、30km地点、63.5km地点(「魔女の森」直前)、79.4km地点(ワッカ入口)の3か所にスペシャルドリンクを置けたのかな? それが、30km地点と79.4 km地点の2か所になったようだ。変更の理由はわからないが(経費削減!?)、54.5km地点のレストステーションにも各自の荷物を送ることができるので影響は小さいのかもしれない(もっとも、優勝や世界記録の更新を本気で狙っているようなランナーにとっては大違いなのかもしれないが…)。僕が陸連に登録することは今後もないと思うので、僕には関係ないかな。

 意外と大きいかも、と思っているのが2点目。これまではナンバーカード(ゼッケン)は4枚配布されていた。競技中は常に胸と背中に1枚ずつ、計2枚のナンバーカードを装着しなければならないことになっている。4枚配布されていたのはおそらく着替えのための便宜で、あらかじめウェアに装着しておけば天候に応じてウェアを着替える際にいちいちナンバーカードの付け替えをしなくて済む。あれ意外と手間がかかるのだ。コンプレッション系のウェアなんかだと脱ぎ着する時にナンバーカードがクシャクシャになって破れちゃったりすることもあるし…。

 ナンバーカードが2枚になってしまったのは、記録計測のためのチップが靴紐に装着するタイプのものではなく、ナンバーカード(の2枚中の1枚)にあらかじめ接着してあるタイプのものに変更されたせいなのだろうと思う(4枚から2枚に減れば経費削減にもなるし)。靴紐に装着するタイプのチップなら4枚あるナンバーカードのうちのどの2枚を使っても問題なかったワケだが、今年はチップがナンバーカード(のうちの1枚)にくっ付いているワケだから、そのナンバーカードは常に身体に身に着けておかなければならない(背中側ですらダメで胸側に装着せよ、とのこと)。ウェアの着替えの際についウッカリ計測チップのついていないカードをウェアに装着してしまうようなミスを防ぐ目的で「配布されるナンバーカードは2枚」ということになったのかもしれない。これが意外とヤッカイだな、と思っている。

 僕のサロマ完走の必勝法は「ペース管理」と「ウェア管理」が2本柱となっている。「誰にでも当てはまるサロマ完走の必勝法を1つだけ挙げろ」と言われたら、「80km地点を10時間以内に通過すること」と僕は答える。10時間で80km進むことのできる人間なら、3時間あれば更に20km進むこともできるのだ。だから、80km関門の閉鎖時刻が15時(スタート後10時間)だった頃から「サロマはワッカ原生花園にさえ入れれば、あとはどうにかなる」と言われていたのだ(現在の関門閉鎖時刻の設定では「ワッカには入れたが、完走できない」危険性がある)。もっとも、僕は過去12回の完走のうち、80km地点を10時間以内に通過できなかったことが2度ある(2023年10時間04分57秒、2025年10時間14分11秒)。10時間に間に合わなかったからと言って完走を諦めたりしない方がいい。野球は9回裏スリーアウトまで試合は終わらない。サロマも競技役員に競技中止を命じられるまで、あるいはスタート後13時間が経過するまで、終わっていないのだ。

 80kmまでの「必勝ペース」は、最年少サロマンブルーの「アート鈴木さん」が提唱するペース配分(「50kmまで7分/km」「80kmまで8分/km」「その後は9分/km」)が最も無難だろうと思う(「無難」と言うと恰好悪いが、リタイアしたくないなら「無難」が一番)。このペース配分だと、50km地点を5時間50分で通過、80km地点を9時間50分で通過、100km地点(つまりゴールライン)を12時間50分で通過(ゴール!)できる。制限時間は13時間だから10分前のゴールだ。

 ちなみに、僕自身は「最初から最後まで7分/kmで走る」を基本としている(7分/kmというのは、給水・給食のために立ち止まったり、トイレストップのロスタイムも含めて、のペースだから、実際に走っているペースはもう少し速い)。7分/kmで100km走れば700分=11時間40分でゴールできるハズだが、実際にはそうはいかず、上述の鈴木さんのペース配分と似たような推移を辿ることが多い。意図しなくてもそうなってしまうのだ(2023年は制限時刻の7分前にゴール、2025年は6分前にゴールだ(笑))。

※これまでサロマの本番で鈴木さんを見かけたことが何度もあるが(ウェアがいつも同じなのですぐわかる(笑))、「サスガだな」と思うのは、彼のエイド滞在時間の短さ。彼の走るペースはそれほど速くはない。ところがエイド滞在時間が短い。僕よりも後にエイドに到着して僕よりも先にエイドから出ていく。僕だってエイドでノンビリ休んでいるワケではないのだ。スポーツドリンクと水を1杯ずつ飲んで、ちょっとした補給食を口の中に放り込み、頭から水を被って手拭で顔を拭き、歩きながらチョコやキャンディの包み紙をゴミ箱に捨て、再び走り出す、ただそれだけ。それだけで数分経っている。そして、鈴木さんは既に僕のはるか前を走っているのだ。走り出せばそのうち追い付くのだが、次のエイドでも同じことの繰り返しだ。彼の方が後に入ってきて先に出ていく(Last In First Out!?)。特にワッカに入ってからが顕著だと思うのだが、エイドに2分間滞在してしまったとして、その2分を走って取り戻すなんてことはもう無理だ。エイドで立ち止まる度に残り時間が失われていく。わかっていても立ち止まらないワケにはいかない。もう「命からがら」なのだ。まだ前半のうちにエイド滞在で残り時間を浪費するワケにはいかないのだ。鈴木さんのペース配分だと、エイドステーションですらほとんど時間を消費しない(と言うか、全く消費しない)設定になっているのだから徹底している。

 もう1つの柱「ウェア管理」だが、僕の感覚では、サロマで闘っている相手は他でもない「気象条件」である。早朝5時のスタート時はまだ肌寒く、正午頃には気温が上がっており、夕方にはまた涼しくなってくる(今年の5月にも、オホーツク地方(湧別町、佐呂間町、北見市、等々)の気温の日較差が24℃前後あった日があった。早朝の最低気温が5℃前後、正午頃の最高気温が29℃前後という感じだった)。カンカン照りの日もあれば、雨の日もある。ずっと晴れていたのに夕方から雨、という時もあった。暑い時に厚着していたら熱中症・脱水症状になるし、雨のワッカで風吹いて10℃を下回ったら雨具なしでは低体温症になる。その両方が1日のうちに起こるのだ。これがあるからサロマは怖いのだ。そして、これがあるからサロマは面白いのだ。これだけの気象条件の変化に都度対応し、熱中症にも低体温症にも脱水症状にも低ナトリウム血症にもならずに100km走り切る。それがサロマの醍醐味だと思っている(だから、「地球温暖化でサロマも暑い日のレースが続いているから、開催日の1か月前倒しを真剣に検討して欲しい」みたいな話を聞くと、「何言ってんだよ!」と思っちゃうんだよな。暑かったり、寒かったり、雨が降ったり、強風に煽られたり、しかもそれを全部1日で経験する、その中で「サバイブする」=「リタイアしない」ってのが、サロマの楽しみ方じゃないか、と僕自身は考えている。サロマは「サバイバルゲーム」なのだ)。今年は久し振りに「低温・雨のサロマ」になるかもよ(笑)。

 だから、サロマは「着替えながら走る」ことになる。そこで「ウェア管理」が絶対に必要になってくる。毎年思うことなのだが、何故かサロマの参加者は当日の天候に対して適切とは言い難いウェアを着用している人が多い。その日その時の気象条件に対して適切でない恰好で走っている人が多い。気温が上がることが予想されるなら暑さを感じる前に脱いでしまう。夕方は再び気温が下がってくるのだから肌寒さを感じる前に寒さ対策をする。そして常に雨に備える。喉の渇きを感じる前に水を飲む、というのと同じことだと思うのだが、何故かウェアに関しては疎かにしている人が多いように思う。

 そういう観点から考えると、「ナンバーカードが2枚しかない」、これが問題となる。僕は「超」の字が付くホド手先が不器用なので、ナンバーカードの付け替えにはかなりの時間がかかるだろうと予想される。たぶん10分じゃ付け替えられない(笑)。先程の「アート鈴木作戦」だと制限時間の残り10分前にゴールなのだ。ナンバーカードの付け替えに10分もかかっていたら、ゴールしても制限時間を超えていて失格扱いになってしまう!

 で、今年は…、13回目の参加にして初めての試みなのだが、「ゼッケンホルダー」と呼ばれるようなものを使えないか、と考えている。ランニングの大会では見かけたことはないが、トライアスロンの選手なんかが使うもののようだ(僕が初めて聞いたのは「クロスカントリースキーの大会で使った手作り品をマラソン大会で流用した」とかだったかな)。製品としては、ウェストポーチのベルト部分のみ、みたいな感じのものが売られている。こういうものがあれば、ウェアの着替えの度にナンバーカードを付け替えなくて済む。

 あるいは、2枚のナンバーカードにブラジャーのストラップのような紐(ベルト?)を付けることはできないか…。ナンバーカードの上部を2本の肩紐で繋いで、下部は両脇の横で紐を結ぶことにして…(小学校の時の運動会で、布のゼッケンをそんな風に留めたような…)。本番で機能しないと話にならないので、これも本番前にテストしてみなければ。サロマで「ぶっつけ本番」は通用しない。「100%うまくいくことがわかっていることしか、本番では採用しない」というのも「サロマの鉄則」だと思う。ウルトラマラソンでは「なるべくリスクを減らす」ということが大切なのだ。